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癌シリーズ1

Breast Cancer(乳がん)
数から言うと肺がん患者の方が多いのですが、がん全体の16%を占める乳がんは、様々な理由で注目を集めています。がん全体の死亡率の8%は乳がんによるものです。

以前お伝えしたように、この分野の研究では依然として論議が巻き起こってはいるものの、果物や野菜を食べると乳がんの危険性は低くなることが数件の研究で実証されています(Jrnl Nat Cancer Inst1991年3月)。研究によって乳がんの危険性低下に関連すると考えられる栄養素には、αカロチン、βカロチン、ルテインなどのカロチノイド(植物の色素)、そしてその他にビタミンAやビタミンCといった抗酸化剤があります。

キャベツは乳がんの危険性をなくすということで、ネブラスカ大学で行われた研究では、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーといったいわゆる十字花野菜に含まれる自然化学物質が、体のがんと戦う免疫システムを支援することが分かりました(Carcinogenesis1990年7月)。

ブロッコリーの若芽には特にサルフォラフェインが豊富で、これに関しては1992年、免疫細胞ががんに罹った細胞や腫瘍を認識し破壊させるということをジョンズ・ホプキンス大学が見つけ出しています。特にサルフォラフェインは、ある酵素の分泌に力を貸しますが、この酵素は、放置されているとDNAを傷つける恐れのあるフリーラジカル(酸化、有害物質)を無力化するものです。

この10年の間にEnergy Times誌は、がんの全体的な危険性を下げる方法を示す重要な科学的新事実を探求してきました。中でも重要な栄養素には次のようなものがあります:

ビタミンE:ビタミンEサプリメントを摂取すると、肝臓、口内、咽頭、喉頭、前立腺にがんができる危険性を下げることが幾つかの研究でわかりました(天然ビタミンEは合成ビタミンEに比べ吸収がよく活用しやすい)。喫煙者約3万人を調べた研究では、ビタミンEを摂取した場合前立腺がんに罹る割合が3分の1低かったということを指摘しました(Jrnl Nat Canc Inst,1998年)。

ガーリック:中西部に住む女性を調べた実測的大規模研究では、ガーリックが結腸がんの罹患率を約3分の1減少させたことを明らかにしました(Amer Jrnl Epid,1994年)。各国で行われたこの他の研究でも、ガーリックの抗がん力を支持する報告がされています。現在のところ、ガーリックの成分で、どの自然物質ががん予防の働きを示すのか不確かです。しかし、DNA機能を正常に行わせる多くの化学物質が含まれていることは確かなのです。

セレン:セレンが皮膚がんの危険性を下げるという理論を証明する研究の最中、ちょっと面白い出来事が起こりました。1千人以上を対象に6年間行われた研究で、皮膚がんに対する有効性はそれほど見られませんでした。しかしその代わり、セレンを摂取すると肺、前立腺、結腸のがんに罹る割合が非常に少ないことが分かったのです(JAMA1996年)。

カロチノイド:野菜や果物の色素である様々なカロチノイドが、がんの危険性を下げることが幅広い研究でわかっています。特に、トマトの赤を作り出し、ピンク色のグレープフルーツにも含まれているリコペンはがん低下との関連が指摘されています。例えば、高齢者を対象に行われた研究は、リコペンが豊富に含まれる食品を食べた場合、結腸がんと胃がんの罹患率が低いことを明らかにしています(Intl Jrnl Canc1994年)。男性に関して言うと、リコペンは前立腺がんを防ぐ重要な働きを示すと考えられます。前立腺を分析した研究では、この器官のリコペン濃度はかなり高いことが分かっています。また、血中のリコペン濃度が高い男性は少ないグループに比べ、前立腺がんに罹る割合が低いということです(Cancer Res1999年)。

大豆:これまで数多く行われた人の臨床研究、そして動物実験によると、ある状況のもとで大豆にはがんを防ぐ幾つかの自然物質が含まれているということです。大豆がどのようにして腫瘍を防ぐ支援をするかについてはいまだに議論が行われていますが、細胞に問題を生じるホルモン変化を妨害すると考えられています。このように、ジェニステイン(genistein)並びにダイゼイン(daidzein)と呼ばれる大豆の成分が、子宮がん、乳がん、前立腺がんを防ぐと研究者は考えているのです。

緑茶:日本人8千人以上の緑茶を飲む習慣を9年にわたって調べた研究では、緑茶をたくさん飲む(1日に約10杯)女性はがんに罹る割合が40%以上も低いことが分かりました(Prev Med1997年)。アジアで行われた別の研究では、お茶が直腸がん並びにすい臓がんの危険性を減らしていることを指摘しました。一方、実験室で行われた研究でも、お茶が乳がん、肝臓がん、食道がん、皮膚がん、肺がん、胃がんの危険性を低くしたことを明らかにしています。こうした抗がん作用を発揮すると考えられている緑茶の主成分の一つがエピガロカテキン・ガレート(epigallocatechin gallate/EGCG)。この物質は皮膚にじかにつけ皮膚がんの危険性を下げることができるというもので、がんに罹る細胞が腫瘍を形成するために必要な栄養摂取を妨害すると考えられています。
Control Your Weight (体重をコントロールする)
こうした栄養素のアドバイスに従うと共に、食べ過ぎに注意しましょう。太りすぎは肺がん、結腸がん、すい臓がんの危険性を増大させます。また、運動も忘れずに。体を動かすことは、がんに罹る割合を下げること、また体重をコントロールする上で重要な要素となるのです。これからのEnergy Times誌では、引き続き、がん予防について最新の情報をお届けしていくつもりです。がんは実に恐ろしい脅威をもたらしますが、ライフスタイルを調整していくことでその危険性を下げることができるのです。


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